冬。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
高台で、ガイドさんは言った。
「あれは商人の家…の、隣が武士」
古民家はその趣で、かつての職業がわかる。
「士農工商の時代。ふつうは隣に無い」
身分を気にしてなかったのかねえ…
そして、ぽつり。
「この町は昔から、のんきなのかなあ」
「あれは商人の家…の、隣が武士」
古民家はその趣で、かつての職業がわかる。
「士農工商の時代。ふつうは隣に無い」
身分を気にしてなかったのかねえ…
そして、ぽつり。
「この町は昔から、のんきなのかなあ」
貧乏侍、という言葉がある。
しかしここの武士は、
なかなか豊かだったらしい。
なんと「辺鄙」だったから、
こっそり土地をもっていた。
「田舎って豊かよね」って、
当時の都会人も言っていたかも。
しかしここの武士は、
なかなか豊かだったらしい。
なんと「辺鄙」だったから、
こっそり土地をもっていた。
「田舎って豊かよね」って、
当時の都会人も言っていたかも。
大森から港まで、銀を運んだ銀山街道。
山道を、約13キロ。
自由研究で実際に歩いた子供は、
へとへとに。
運び人を癒したという温泉につかりながら
「昔の人はすごい」
ぼくは手ぶらなのに…と、感動していた。
山道を、約13キロ。
自由研究で実際に歩いた子供は、
へとへとに。
運び人を癒したという温泉につかりながら
「昔の人はすごい」
ぼくは手ぶらなのに…と、感動していた。
知らないはずのなつかしさが、
知りたかったあたらしさが、
町を歩き、呼吸すると、沁みてくる。
ながいながい月日のなか、
銀の歴史、ひとの願いが巡り、
息づいた。
大森町だけのもの。
ご足労はおかけしますが、
ぜひ訪れてみてください。
「かげ」が瞼の裏にのこるはずです。
この眩しすぎる現代社会で、
その「かげ」はきっと、やさしい。
知りたかったあたらしさが、
町を歩き、呼吸すると、沁みてくる。
ながいながい月日のなか、
銀の歴史、ひとの願いが巡り、
息づいた。
大森町だけのもの。
ご足労はおかけしますが、
ぜひ訪れてみてください。
「かげ」が瞼の裏にのこるはずです。
この眩しすぎる現代社会で、
その「かげ」はきっと、やさしい。