灯る、街灯。
「夕方からの大森が好き」
という町民は多い。
観光客の波が引き、
ぐっと濃くなる暮らしの色。
おうちに帰ろう、走るこども。
ただよう、晩ご飯のにおい。
日々のなかに、
空色のようなグラデーション。
「夕方からの大森が好き」
という町民は多い。
観光客の波が引き、
ぐっと濃くなる暮らしの色。
おうちに帰ろう、走るこども。
ただよう、晩ご飯のにおい。
日々のなかに、
空色のようなグラデーション。
冬。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
市内で勤めるかたは、
帰り道が楽しみだという。
大森にむかう山あいの車道で、
目の前いっぱいに
山の稜線がながれていくのが、と。
季節ごとの夕暮れ時。
月の満ち欠け。
まいにち少しずつちがう、帰り道。
帰り道が楽しみだという。
大森にむかう山あいの車道で、
目の前いっぱいに
山の稜線がながれていくのが、と。
季節ごとの夕暮れ時。
月の満ち欠け。
まいにち少しずつちがう、帰り道。
大森から港まで、銀を運んだ銀山街道。
山道を、約13キロ。
自由研究で実際に歩いた子供は、
へとへとに。
運び人を癒したという温泉につかりながら
「昔の人はすごい」
ぼくは手ぶらなのに…と、感動していた。
山道を、約13キロ。
自由研究で実際に歩いた子供は、
へとへとに。
運び人を癒したという温泉につかりながら
「昔の人はすごい」
ぼくは手ぶらなのに…と、感動していた。
知らないはずのなつかしさが、
知りたかったあたらしさが、
町を歩き、呼吸すると、沁みてくる。
ながいながい月日のなか、
銀の歴史、ひとの願いが巡り、
息づいた。
大森町だけのもの。
ご足労はおかけしますが、
ぜひ訪れてみてください。
「かげ」が瞼の裏にのこるはずです。
この眩しすぎる現代社会で、
その「かげ」はきっと、やさしい。
知りたかったあたらしさが、
町を歩き、呼吸すると、沁みてくる。
ながいながい月日のなか、
銀の歴史、ひとの願いが巡り、
息づいた。
大森町だけのもの。
ご足労はおかけしますが、
ぜひ訪れてみてください。
「かげ」が瞼の裏にのこるはずです。
この眩しすぎる現代社会で、
その「かげ」はきっと、やさしい。