灯る、街灯。
「夕方からの大森が好き」
という町民は多い。
観光客の波が引き、
ぐっと濃くなる暮らしの色。
おうちに帰ろう、走るこども。
ただよう、晩ご飯のにおい。
日々のなかに、
空色のようなグラデーション。
「夕方からの大森が好き」
という町民は多い。
観光客の波が引き、
ぐっと濃くなる暮らしの色。
おうちに帰ろう、走るこども。
ただよう、晩ご飯のにおい。
日々のなかに、
空色のようなグラデーション。
冬。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
照葉樹林の森は枯れずに、
山にも緑がのこっている。
湿っていて、すこし暗い。
そこで、はっと目を奪われる。
薄暗闇にぽつりと浮く、赤。
冬に咲く薮椿の花。
どこか艶めかしく、
微笑みかけてくるようだった。
貧乏侍、という言葉がある。
しかしここの武士は、
なかなか豊かだったらしい。
なんと「辺鄙」だったから、
こっそり土地をもっていた。
「田舎って豊かよね」って、
当時の都会人も言っていたかも。
しかしここの武士は、
なかなか豊かだったらしい。
なんと「辺鄙」だったから、
こっそり土地をもっていた。
「田舎って豊かよね」って、
当時の都会人も言っていたかも。
街灯のすくない大森町。
夜、見えないからこそ、
見えるものもたくさんある。
星空、ほたる、ひとの営み。
それらを眺めながら、
散歩するのが楽しみというご夫婦がいた。
手をつないでいたかは、
暗がりのなかの秘密。
夜、見えないからこそ、
見えるものもたくさんある。
星空、ほたる、ひとの営み。
それらを眺めながら、
散歩するのが楽しみというご夫婦がいた。
手をつないでいたかは、
暗がりのなかの秘密。
知らないはずのなつかしさが、知りたかったあたらしさが、
町を歩き、呼吸すると、沁みてくる。
ながいながい月日のなか、
銀の歴史、ひとの願いが巡り、
息づいた。
大森町だけのもの。
ご足労はおかけしますが、
ぜひ訪れてみてください。
「かげ」が瞼の裏にのこるはずです。
この眩しすぎる現代社会で、
その「かげ」はきっと、やさしい。